Onsemi KSC1845 は Onsemi(On Semiconductor)が製造販売する汎用小信号シリコントランジスタ。エピタキシャル構造、NPN型。Onsemi KSA992 とコンプリペア。NEC 2SC1845 のセカンドソース品。
データシート上の数値はいずれも本家と同じ
1990年代に SAMSUNG Semiconductor(韓国)が本品種を開発、同社は Fairchild Semiconductor(米国)に売却され、その後、Fairchild Semiconductor のディスクリート部門が On Semiconductor(米国)に売却された。Onsemi富川工場(韓国、京畿道富川市)で製造される。
Onsemi が買収した三洋半導体に SANYO 2SC2362K という定格の近い品種があるので、中身は同品種と同じかもしれないと考えたが、特性を見てみると違う品種のようである。このクラスは意外と品種が少なくて、他社で TOSHIBA 2SC2240、ROHM 2SC2389、三菱電機/イサハヤ電子 2SC1708A、HITACHI 2SC2547 くらいしか無い。
写真のものは、2023年に秋月電子通商で購入したもの。TO-92 形状。hFE は一番大きめの、Fランク(300-600)。
同一ロット品からサンプルを 5個、適当に抽出して hFE を測定したもの。Ic = 2.0mA付近の数値で、409、413、424、395、411 とほぼバラつきなし。測定条件は Vce = 6.0V。
以下の特性は、hFE : 409 の個体を計測。
Vce-Ic特性。低電流、能動領域では Vce依存が少なく、横一直線に伸びている。Ic間も一定で、Ib依存が少ない。Ic が 6mA を超える領域になると、右肩上がりになる。測定条件は Vcc = 7.0V。
グレーでオーバレイしてあるのが、NEC 2SC1845 の実測データだが、ランクが違う(Eランク)のと、測定した Ib が違うので注意。
アーリー電圧(VA) は約161V。
飽和領域のVce-Ic特性。Vceo ≦ 120V と高耐圧の品種のため、能動領域は Vce ≧ 2V くらいからといった感じで、低電圧領域ではなで肩になる。
グレーでオーバレイしてあるのが、NEC 2SC1845 の実測データだが、ランクが違う(Eランク)のと、測定した Ib が違うので注意。
サンプル5個(hFE測定と同じ個体)の Vbe-Ic特性。測定条件は Vce = 6.0V。
(続く)