FUZZ人 (ふぁずんちゅ)

「FUZZ人」と書いて「ふぁずんちゅ」と呼ぶかは知らないけど、「プロのファズ師」という人が居るらしい。さて、負電源を使わない FUZZ という記事を書いたところ、FUZZ で起きやすい「モーターボーティング」 (真空管アンプ界隈では、モーターボーディングと呼ぶが) について原因と対策があったほうがいいだろう、という話が出てきて、実際に回路を組んで「モーターボーティング現象」を起こしてやり、どう対策すれば解決するのかを試行錯誤してみたい。





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突然だが、試行錯誤のための回路として組んだのが上記の回路図の回路。まんま FUZZ FACE ではあるが、「ふぁずんちゅ FUZZ」と呼ぶことにする。こちらが PNP版。





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そして NPN版。

この回路図は試作のために引いたものだが、実際に組んでみると定数がおかしかったので参考程度にして欲しい。

まず、そもそもの目的は「モーターボーティング現象」を起こしてやり、その対策について試行錯誤するための実験用の回路である。なので、音とかはどうでもよくて動作さえすればよい、ということで定数などは FUZZ FACE の定番のものからテキトーに決めてある。

実際にエフェクタとして使う FUZZ FACE の場合は、LEVEL と FUZZ という 2ヶ所のポテンショメータを操作できるようになっているが、これは実験回路では不要なので固定の抵抗器に置き換えてある。LEVEL が R6 330k、FUZZ が R5 1.5k でどちらもノブをフルに固定した「漢ファズ状態」にしてある。

「音はとりあえず出れば良い」と考えていたが、実際に音は出るものの、ずいぶんとノイジーである。FUZZ がノイジーであることはわかっていても、実用になるとは思えないほどのノイズが出ている。まずはこのノイズを取り除くところだけはやってしまおうと考え、回路をいろいろイジってみた。

Opアンプを使った回路と違って、FUZZ のようなディスクリートで組まれた回路は、動作が素子に依存する割合が大きい。各素子はバラツキが大きいので、回路設計者はそのバラツキについて考慮して設計する必要がある。初期の FUZZ ではゲルマニウムトランジスタを使っていたが、当時のゲルマニウムトランジスタは増幅度が低い。

しかし、2026年現在、手に入りやすいシリコントランジスタは非常に増幅度が高い。ゲルマニウムトランジスタでは hFE が 100 を割るような個体も珍しくないが、シリコントランジスタでは逆に 300超えなんて個体も珍しくない。

これだけ特性に差がある素子を同じ定数で動かせるわけがない。しかし、素子の差を考慮せずに設計した回路では、まったく動作点が違うのに、同じ定数で作ってしまう。

FUZZ がノイジーな原因だが、初段が電流帰還のないガチのエミッタ接地増幅回路になっていて、いくら増幅度の低いゲルマニウムトランジスタでも、それなりに信号が増幅される。同時にノイズも増幅される。

この増幅されたノイズはそのまま 2段目へ伝えられ、さらに増幅される。これが、FUZZ がノイジーになる基本である。

根本的なノイズ対策はあとで行うとして、この初段で増幅されるノイズを、2段目へ伝えず消すことはできれば少しはノイズを抑えることができる。

ノイズを消す回路の一つにゲート回路というのがあり、ある一定のレベル以下の信号を一律にカットしてしまう。実は、FUZZ は回路全体の定数、電位配置を適切に設計することで、このゲート回路を形成することができる。

定数が間違ってる版の定数、電圧配置を例に説明する。実際は PNP トランジスタを使っているため電位差の説明が煩雑になるので、電池の 9V側を基準点として、絶対値で表すこととする。(-1V を 1V と表記する)

まず、Q2 に流れるエミッタ電流(=コレクタ電流) 0.47mA により、エミッタ抵抗 R5 1.5k に 0.71V が発生する。これにより、Q2 のベース電圧は 1.27V (0.71 + Q2 の Vce) に決まる。Q2 のベース電圧は Q1 のコレクタ電圧と同じで、これにより Q1 の負荷抵抗 R2 33k の電位差が 8.18V となり、Q1 に流れるコレクタ電流が 0.25mA になる。

Q2 に戻って Q2 のコレクタ電流 0.47mA により、負荷抵抗 R3 470R と R4 6.8k に 3.43V の電圧が発生するので、Q2 のコレクタ電圧が 6.02V となる。

以上が、定数が間違った状態の回路で実測した静的な電圧配置である。

このとき注目したいのが、Q2 のベース電圧とコレクタ電圧だ。いまベース電圧が 1.27V、コレクタ電圧が 6.02V なので、Q2 は動作している状態になっている。これがあとで意味を持ってくる。

次にノイズ対策のために初段のゲインを下げることを考える。Q1 の負荷抵抗 R2 33k を、3k に置き換えてやる。(試作では 33k//3.3k とした)

これにより、Q1 のエミッタ電流(= コレクタ電流)が増加、2.3mA となるが、R2 で発生する電圧は 6.95V に低下する。よって、Q1 のコレクタ電圧 = Q2 のベース電圧は 2.50V となった。

Q2 のベース電圧が 2.50V なので、Q2 のエミッタ電圧は 1.90V となり、R5 1.5k には 1.27mA が流れていることがわかる。これは、Q2 のエミッタ電流(= コレクタ電流)に等しい。R3 と R4 に生じる電位差が 9V を超え、これは Q2 がカットオフしている状態になる。Q2 がカットオフしているので、ノイズが出なくなる。ただし、この状態だと音もほとんど出ない。

そこで、R4 6.8k を少しずつ下げてやる。R4 を 6.18k (6.8k // 68k) まで下げたときはノイズはあまり出てないが、音が出る状態になる。さらに下げて 5.6k (6.8k // 33k) まで下げるとノイズが出てくるようになる。

つまり、両者の間に音は出るけどノイズは出ない「おいしいポイント」が存在することがわかる。この両者の間で、どのような差があるのか端折って説明する。

Q2 のコレクタ電圧がベース電圧が高いとき、Q2 は増幅動作する。逆のときはカットオフする。ノイズは信号が小さいため、カットオフしていれば消えてしまう。音の信号はレベルが大きいため、Q2 がカットオフ領域を超えて動作し、増幅するようになる。

つまり、Q2 のコレクタ電圧を、Q2 のベース電圧より、少し (0.6V ほど) 低いあたりに設定すると、ちょうどよい塩梅になるはずだ。上記の通り、R4 が 6.18k の場合、Q2 のコレクタ電圧が 1.98V、ベース電圧が 2.52V、電位差が 0.54V だった。





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新しい定数と実測した電圧を書き入れた。これはたまたまこの組み合わせでゲート動作に気づいたと言うだけで、定数はもっと良い組み合わせがあると思われる。机上の計算だと、R2 を 7.5k、R4 を 10k あたりに設定すると、Q1 と Q2 にエミッタ電流のバランス的にも良さそうだ。




ここで改めて、FUZZ におけるトランジスタの動作点の設定方法について探っていく。

Q2 やまわりのパーツを取り除き、入出力も取り除いた、Q1 が動作するのに必要最低限のパーツだけを抜き出すと上のような回路になる。

R3 + R4 と書かれた 7.5k(仮) と、R5 1.5k(仮)、そして R2 10k(仮) だけで構成されたシンプルな回路だ。入出力が無いので増幅などは行わない、単純に電池を消費して熱として放出するだけの電子回路だ。

ここで、R2、R3+R4、R5 という 3つのパラメータを調整することで、Q1 を狙った動作点で動作させたいと考える。

ここで目標としたいのが、Q1 にコレクタ電流が、ギリギリ流れるかどうか、のポイントである。Q1 のベース端子(上の図だと 3番ピン) の電圧が、約0.6 ~ 0.7V になるポイントである。

これはシリコントランジスタであれば、概ね違いは無いはずだが品種によって個体差があるので個別に調べる必要がある。




使用予定のデバイス Q1 と、数本の抵抗器を配線して実際に電圧を測定しながら、抵抗値を変えてみる。上記写真では、PNP形トランジスタのイサハヤ電子ISA1284AS1-E を使っているので極性が逆になっているので注意。




R5 を 1k、R3+R4 を 12k と仮に置き、R5 1k に発生した電圧を調べる。




概ね、0.6 ~ 0.7V となる組み合わせを見つける。上記の、1k と 12k で 0.69V となった。




残りの配線も済ませたら、各部の電圧を実測していく。確認したいのは、Q1 のコレクタ、ベース、R1、R3+R4、R5 の交点の 3ヶ所。

トランジスタの品種にも依るが、、回路図通りの定数だと Q1 のコレクタは電圧がほぼゼロになるはずだ。これは、Q1 が動作しておらず、電流が流れていないことを意味する。

各抵抗を他の定数のものに差し替えて、電圧の変化を見ていく。勘所としては、R2 は減らす方向へ、R3+R4 も減らす方向、R1 は増やす方向、R5 は増やす方向、で動作する点が見つかるはずだ。

上の定数のまま、R2 を減らしていくと、20k、10k、6.8k のときは電流が流れていないが、3.3k に変えるとコレクタの電圧が 3.30V となり、トランジスタが動作しだしたことがわかる。つまり、6.8k未満、3.3k以上のどこかで最適な定数があることがだいたい予測が付けられる。

さらに、R1 を 100k から 330k に変えてやると、コレクタの電圧は 7.16V となった。これだと電流は流れ過ぎである。

そこで、R3+R4 を 6.8k から 10k に変えてやると Q1 は再びカットオフ、ほとんど動作しない領域になった。つまり、R3+R4 は 6.8k 以上、10k未満のどこかで最適な定数があることがだいたい予測がつく。

なお正解は一つではない。すべてがバランスしていれば良いので、他の定数の組み合わせで同じ電圧配分になる組み合わせも存在するはずだ。例えば、R1 = 100k、R5 = 1k、R2 = 4.7k、R3+R4 = 6.8k でもだいたい同じくらいで出ると思う。




動作しているときとき、R1、R3+R4、R5 の交点は約1.62 ~ 1.63V だった。

ここで動作点の目標としては、R1、R3+R4、R5 の交点電圧 + 0.6 ~ 0.7V を Q1 のコレクタ電圧としたい。




これはなぜかというと、Q2 を追加して見慣れた FUZZ FACE の回路に近い回路を見るとわかる。

Q2 が動作するとき、エミッタとベース間は概ね 0.6 ~ 0.7V の電位差が発生する。これが上で書いた、3本の抵抗器の交点の電圧と、Q1 のコレクタ電圧(= Q2 のベース電圧)の関係性になる。

ただし、Q2 でも電圧降下が発生するため、R3+R4 の定数はさらに小さくしていく必要がある。




同様に定数をいろいろ変えてやってバランスする組み合わせを探ってやる。例えば、R1 = 330k、R5 = 1.5k、R2 = 6.8k、R3+R4 = 3.3k だと、Q2エミッタ 2.12V、Q1コレクタ = Q2ベース 2.62V、Q2コレクタ 4.3V、Q1ベース 0.49V くらいでバランスしそうだ。

R2 を 10k に変えて、R1 = 330k、R5 = 1.5k、R2 = 10k、R3+R4 = 3.3k だと、Q2エミッタ 1.70V、Q1コレクタ = Q2ベース 2.20V、Q2コレクタ 5.26V、Q1ベース 0.48V、これくらいでもいいかもしれない。




個人的には、ここまでの定数配分がバランスよく収まっている気がするのだが、ここで R5 の実態について憂慮すべき自体が出てくる。この実験回路では定数を自由に設定できるので、1.5k を使っていたが、実際に回路を組むときはここは FUZZノブの裏に居るポテンショメータ(ポット)が担う。市販のポットは手に入りやすい数値が決まっていて、1.5k というのは一般的には入手しづらい。

そこで、ここには定数として 1k しか使えない、という制約で再び試行錯誤してみた結果の定数がコレ。R1 = 330k、R5 = 1k、R2 = 20k、R3+R4 = 3.3k とした。このときの各部の電圧は、Q2エミッタ 1.16V、Q1コレクタ = Q2ベース 1.66V、Q2コレクタ 5.18V、Q1ベース 0.47V となる。

抵抗器はたった 4本しかないのに、どこを変えてもすぐに電圧のバランスが崩れてしまうことが実感できると思う。これが、FUZZ の回路設計の難しさと言える。

FUZZ FACE の回路について解析、解説しているサイトや動画はたくさんみつかるが、たぶんほとんどの解説は間違っている。特に、R1 100k について帰還抵抗(フィードバック)と雑に解説するパターンが多いが、これは回路を理解している人からすればありえない解釈だ。

要因としては、よく出回っている回路図で、R1 100k が横向きに描かれており、いかにもよくある NFB のように見える。これは単に描き方の問題で、役割としては Q1 の動作に必要なバイアス電圧を与えるための回路なので、私が描く回路図のように縦に描いたほうが誤解を生みにくいだろう。

R1 100k が帰還回路ではないことはカンタンに確かめられる。100k をパラって合成抵抗 50k (100k // 100k) としてみればわかる。若干、音量が小さくなる変化はあると思うが、さほど影響はないだろう。これが帰還回路であれば回路全体のゲインに影響し、音量は大幅に変化する。

ここで音量が小さくなったのは、楽器から見たときの入力インピーダンスが小さくなったからだ。エレキギターではパッシブピックアップを使っている場合は、アンプの入力インピーダンスとして 1Meg などが期待される。それに対し、FUZZ FACE の入力インピーダンスは、R1 100k、R2 33k、R5 1k の合成抵抗となり(単純なパラレルではない)、詳細は省くが最大でも 33k ほどにしかならない。このメンバーの各抵抗値が下がることで、入力インピーダンスはさらに低下する。これにより、楽器からの入力レベルが下がるため、音量が下がる傾向になる。

FUZZ FACE の入力インピーダンスの計算については、「全単射」というサイトがよくまとめられており、数式が得意であれば一読をおすすめする。
https://zenn.dev/bj_9/articles/ca89b594cc0181

こちらのサイトの別の記事では、FUZZ FACE の動作について、これまで見た中でもっとも的確な解析を行っている。この記事中でも、R1 100k が帰還抵抗ではないことについて触れられている。
https://zenn.dev/bj_9/articles/5052267b1f2455




では、なぜ動作点を求めていくと定番とされる定数と違ってしまうのか。そのヒントが、オリジナルの回路ではゲルマニウムトランジスタが使われていたことに秘められている。

上記の定数はよく使われるものを当てはめて、電圧は計算で出したものだ。実際には回路を作成していない。

シリコントランジスタでは、トランジスタの動作に必要なエミッタ-ベース間電圧は、最低でも 0.55V程度、だいたい 0.6 ~ 0.7V を必要とするのに対し、ゲルマニウムトランジスタでは 0.15 ~ 0.2V 程度しか必要ない。

Q2 のエミッタ電圧が -0.38V、ベース電圧が -0.76V となっており、その差は -0.38V、十分に動作する領域に入っていることがわかる。また、この定数の場合、Q1 のベース電圧も約 -0.38V になっている。

R5 1k の定数を変えられないため、ここで必要な電圧が低いということは、イコール、ここに流れる電流も少ないのである。

オームの法則により、1k の抵抗で 1.16V を発生させるには、1.16mA の電流が必要になる。一方、-0.76V を発生させるには、-0.76mA の電流が必要になる。

この電流はイコール、Q2 のエミッタ電流である。Q2 のエミッタ電流が増えると、R3+R4 で発生する電圧も比例して増える。回路全体の電源は 9V で固定されているので、増えたエミッタ電流に対応して R3+R4 で発生する電圧を揃えようとすれば、当然、ここの定数は小さな値にならざるをえない。これが、ゲルマニウムトランジスタでは 470 + 8.2k だったものが、シリコントランジスタでは 3.3k に置き換えられた理由である。

Q1 の負荷抵抗、R2 に関してはあまり電圧差が無いので、オリジナルそのままの 33k でも動作するだろう。ここが 0.25mA 前後だと気持ち、動作する電流が少ない気がするので 20k としたが、もっと小さくて 10k 程度でもいい気はする。オリジナルの回路の定数が、3:1 なのでそれに従うなら、10k のほうがシックリ来るかもしれない。

とはいえ、R2 の値は回路全体の入力インピーダンスに影響するので、あまり小さくしすぎると楽器との相性が出やすくなるので音を聞きながら確かめたほうがいいだろう。





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遊びで作った、Jim Dunlop JHF1 Jimi Hendrix Fuzz Face っぽいレイアウトのバージョン。





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試作した基板たちを紹介する。

これはアイデアのキッカケとなった、モータボーティングのテストのために作った 試作1号機(Si PNP)試作2号機(Si NPN)。2回路を Sunhayato のユニバーサル基板、ICB-288 に点対称に載せてある。




トランジスタには PNP形シリコントランジスタの イサハヤ電子 ISA1284AS1-E を使う。hfe は Q1 が 181、Q2 が 202 の個体。




この品種は精度が高いので同じロットだと似たような hfe の組み合わせしか取れない。




試作なのでウラの配線は横着ハンダ。部品の配置をちゃんと考えていなかったので、余計な引き回しになってしまっている。




同じ基板に同居する 試作2号機(Si NPN)




こちらは Q1 が 東芝 2SC2458-Y (東芝2SC1815-Y のサイズ違い) で、Q2 が イサハヤ電子 ISC3244AS1-E。それぞれ、hfe = 134、212 の個体。こちらは検証不要ということで作成途中で放棄。




部品の配置を見直し、試作1号機(Si PNP) での実験結果から定数をフィードバックした 試作3号機(Si NPN)試作4号機(Si NPN)




記事中で紹介した配線はこの試作機が元になっている。信号経路にはあまり OS-CON を使いたくないんだけど、手元に大量にあるので試作のときに使ってしまう。OS-CON は性能はいいんだけど、ちょっと電圧を掛け気味で使いたい。




試作3号機(Si NPN) は Q1 が 東芝 2SC2458-Y (東芝2SC1815-Y のサイズ違い) で、Q2 が イサハヤ電子 ISC3244AS1-E。回路定数を決めるうえで、hfe はあまり関係がないことがわかってきたので hfe は割愛。(もちろん選別のため、測定はしてある)


ルーティングを試行錯誤していたため、ウラはぐっちゃぐちゃ。




部品配置をギリギリまで詰めるため、検証のために組んだ 試作4号機(Si NPN)

こちらも検証用のため、配線作業はやらずに作成途中で放棄。




TO-18 のメタル缶トランジスタ、2N2222A を載せてみる。Motrola のオリジナルではなく、セカンドソース品。こちらも現在は製造中止。




そして以上の実証結果をフィードバックして作る、本命の試作機、試作5号機(Si NPN)

特性の優れた品種しか作られていない現代の NPN形シリコントランジスタを、性能の低いゲルマニウムトランジスタに寄せるため選んだのが、このアイデア。




電力用のトランジスタの品種を使ってみることにする。これはセカンドソース品で STMicro 2SD882。オリジナルは NEC 2SD882TO-126 形。

電力用のトランジスタであれば、hfe は 100前後と低め、cob も大きいはずである。ただし、データシートに載っている hfe は電流を流した時 (例えば 3A とか) の値で、小電流領域ではそれなりに高いので注意。




ウラは定数を検証するための違法建築しまくり。入力の配線が長くなるとノイズを拾うので、TRSフォンジャックを基板に直接ハンダ付け。




試作の結果、ロードマップが見えてきたので並行してケースの設計に取り掛かる。アルミダイカストのボックス、タカチ TD6-11-3N を使うことにする。




左からインプット、グラウンドリフトスイッチ、DCイン、アウトプット。グラウンドリフトスイッチは GND の配線を断ち切れるように入れてある。これを入れておくことで、デイジーチェーンで接続してしまい、アースループが発生しても、ここを切るだけで解決することができる。

また副次的な効果として、006P電池で使っている時、ここを切るだけで電源が切れる。わざわざインプットからシールドを抜く必要がない。




4本の SBDダイオードは、DCアダプタがセンターマイナスのものも、センタープラスのもの、どちらも使用できるようにするための回路。これを入れておくだけで、汎用品のセンタープラスの AD-DCアダプタを使うことができるようになる。逆接続防止回路も不要になる。




Sunhayato のユニバーサル基板、ICB-293 から 16 x 9マスを 4枚切り出すことができる。カッターで傷を付けたら、万力で挟んで折ってやるとカンタンに分割できる。断面はヤスリを掛ける。




ここに回路を実装していく。




回路基板を小さくしたのでレイアウトに余裕がある。




グラウンドリフトのスイッチとポットのクリアランスを詰めすぎて、もう少しで接触しそう。スイッチと DCジャックを、数ミリ移動させたほうが良さそうだ。




トランジスタの足を曲げたりして背を低くしたので、このスペースでも収まりそう。




これなら、元々、基板を収めるつもりだったスペースに 006P電池を収めることもできる。




この基板サイズなら、少し斜めにすれば立てても入りそう。




基板上には LED のミレニアムバイパスを実装する余裕がなかったので、空中配線。回路の動作を確認したら、グルーガンで固定する。




筐体は全体にヤスリを掛けてからミッチャクロンをスプレー。水性アクリル塗料をはけ塗り。まずは下塗り。




上塗りはオレンジ。




使った塗料はニッペのマットカラー水性ツヤ消し多用途ペイント。たぶん、木工用。




上から和紙を貼る。




紙屋さんで見かけた、純楮(こうぞ)色雲龍紙(うんりゅうし)。漉き込みで裏が透けて見える。約23gsm。




FUZZ っぽいかなと思う犬種、オールドイングリッシュシープドッグ。

(執筆中)