EL34PPアンプの製作

改良1

アンプが完成後、試聴や測定をして気になる点を直しています。当初の設計の回路定数だと位相反転段の V1b の動作がクリップしてしまい EL34 の PP出力段をドライブしきれずに出力が制限されてしまいます。

これは V1b の電源電圧が低く、また負荷が R7//R10、R8//R9 の 32Kオームになるため R7、R8 に掛かる電圧が下がって振幅が取れないためです。

R7 と R8 を 47Kオームから100Kオームに変えると R7//R10、R8//R9 が 50Kオームになり振幅が約90Vpp 取れるようになります。EL34 のドライブには約60Vpp 必要なのでこれで出力段をしっかりドライブできるようになります。さらにドライブ電圧が必要なときは R9 と R10 を 330Kオームに変えると負荷は R7//R10、R8//R9 が 248Kオームになり計算上は振幅が約120Vpp 取れるようになります。いずれの場合も V1b のバイアスは R6 で作っているので出力を大きくすると歪みが大きくなります。

使途不明な C4 0.1uF は外します。V2、V3 のサプレッサグリッド(1番ピン)をカソード電位からアース接地に変更します。

電源トランスのタップを 320V から 350V に変え、R904(10オーム)の挿入箇所も変更します。これで B電圧は約400V 取れるようになります。

C2、C3 にはオイルコン 0.47uF を使っていましたが経年劣化でリーク電流が心配になってくるのでポリプロピレンフィルムコンデンサ、0.1uF に変更します。このコンデンサ、C3 は 100Vdc 程度ですが C2 は 200Vdc 程度なので耐圧の高いものを使います。手持ちの関係で 400Vdc品を使いましたが 630V品がいいでしょう。

EL34PP回路図(改良1)

このコンテンツは 2003年に別のサイトに掲載したものを加筆,修正して転載しています。