TOSHIBA 2SC2458

TOSHIBA 2SC2458 は東芝の汎用小信号シリコントランジスタ。エピタキシャル構造(PCT方式)、NPN型。TOSHIBA 2SA1048 とコンプリペア。

汎用品種の定番品、TOSHIBA 2SC1815 の形状違い。TO-92形(EIAJ : SC-43)の 2SC1815 と比べ、一回り小さい TO-92S(EIAJ : SC-72、東芝2-4E1A)で、Pc : 400mW の 2SC1815 とくらべて、Pc : 200mW と半減している。

データシートでは低周波増幅用、AM増幅用の品種とし、fT も 80MHz と同クラスでは控えめ、低雑音品種でもないという目立った仕様ではないものの、実際には fT は測定条件が厳しい(Ic = 1.0mA。他社は 10mA時のものが多い)もので、実際には軽い RF領域でも使用でき、PCT方式やイオン注入など、低雑音品種に匹敵する雑音性能。アマチュア工作で定番の 2SC1815 は、型式指定で買い求める人が居るため、2012年の生産終了後は流通在庫を取り合う状況となり、入手難、高額化しているが、本型式は大量生産のメーカ向けに出荷されていた品種でアマチュア工作で使われることはあまりなく、2023年現在でも東芝製造のオリジナル品を手に入れやすい。また、2SC1815 はセカンドソース品が多いため、マーキングを東芝類似のものに書き換えた偽物が出回っているが、本品は型式指定で買う人が少ないため偽物が出回る心配があまりない。

型式は違うが、KEC(韓国) の 2SC3199 / KTC3199 は東芝のライセンス生産品で中身は同じ。KEC こと韓国電子は、元々韓国東芝という東芝の現地子会社で、日本で生産しなくなった品種の生産ラインを移設して製造していた。こちらは定番品ではないのでむしろ入手難。





TOSHIBA 2SC2458-Y。マーキングは C2458 / Y 0F。TO-92Sサイズ

写真のものは、2023年に秋月電子通商で購入したもの。TO-92 より小型の、SC-72(TO-92S) の形状になっている。マーキングはレーザー。hFE は低めの、Yランク(120-240)。2010年6月製造。





TOSHIBA 2SC2458-Y。Ic-hFE特性

同一ロット品からサンプルを 5個、適当に抽出して hFE を測定したもの。Ic = 1.0mA付近の数値で、158、188、137、143、134 とバラつきあり。測定条件は Vce = 6.0V。

以下の特性は、hFE : 158 の個体を計測。





TOSHIBA 2SC2458-Y。Vce-Ic特性

Vce-Ic特性。低電流、能動領域では Vce依存が少なく、横一直線に伸びている。Ic間も一定で、Ib依存が少ない。測定条件は Vcc = 7.0V。

アーリー電圧(VA) は約145V。





TOSHIBA 2SC2458-Y。Vce-Ic特性(飽和領域)

飽和領域のVce-Ic特性。こちらも低圧から申し分のないキレイな特性。





TOSHIBA 2SC2458-Y。Vbe-Ic特性

サンプル5個(hFE測定と同じ個体)の Vbe-Ic特性。測定条件は Vce = 6.0V。

小信号トランジスタ

(続く)