Opアンプフォノアンプの製作

10年以上も前の話だがアナログプレイヤーを新調した。いつものように真空管アンプの部品を求めに神田のアムトランスを訪ねたところ草薙社長が見えて、時間もあったので 1F の「試聴室」で音楽を聴きながらオーディオ談義に花を咲かせていた。

そこに置いてあったのが PIONEER の PL-70II。1980年代、各社がアナログターンテーブルでしのぎを削っていた頃オーディオブランドの雄 PIONEER から発売された DDターンテーブル七五三シリーズの最高級機種、PL-70 の 2世代機である。

実はそれまで下位機種の PL-30 を使っており大変満足していた。上位機種が目の前に現れ、当時他店で売られていた PL-70 より 1万円くらい安いプライスタグが付けられていた。

ほぼ衝動買い。試聴室からほど近い銀行の ATM まで行って現金を引き出し我が家に迎えることになった。

PL-30 は後輩に譲り(押し付け?)、オーディオラックには PL-70II が収まったがここで一つの問題にぶち当たった。フォノアンプである。

アナログの再生はカートリッジが拾う微小な電気信号をフラットな周波数特性にイコライジングしながらラインレベルまで信号レベルを引き上げるフォノアンプの存在が必須である。

PL-30 の相方として使っていたのはディスクリートトランジスタで組んだ先輩の遺作でこれは借り物だった。いつまでも借りたままというわけにはいかない。重い腰を上げフォノアンプを作る算段を始めた。

当初思いついたのは 12AX7 3~4球で組んだ教科書に出てきそうなフォノアンプ。回路もマランツ型とかマッキン型とかあって部品の入手性、先人のノウハウ、製作の簡易性など大きな問題はなかったが、どうにも面白くない。自作でプリアンプを組むと電源トランスのシールドが難しい。

パワーアンプであれば傍熱管を交流点火しても気になるほどのハムが出るようなことはなく素人工作でもモノになるが、プリアンプとなると直流点火にシールドと気をつけて気をつけて作ってもノイズとの戦いになる。

見た目にシールドっぽい 6DJ8 なんかを使ってもオモシロイかな、12AX7 みたいに 200V を掛けなくても使えそうだな、などとヨコシマな発想もあってなかなか構成が決まらなかった。

そこでふと閃いたのが部品箱の中に一生分はストックしてあると思われる NJM4580D という Opアンプである。言わずともしれた新日本無線製のオーディオ用Opアンプである。

この NJM4580 という Opアンプ、汎用Opアンプの RC4558 をベースにオーディオ用として改良された石で、4580 の型式はこの NJM4580 がオリジナルになる。類似品としてはスペックは違うが低雑音・高速・広帯域の NJM2068、NE5532A、NJM2114 などがある。

NJM4580 はあまりにアタリマエに使えてアタリマエにイイ音が出るので、自作マニアに間ではそれほど人気の Opアンプというわけではないが入手性がよくコストが安くそれでいて使いやすい本当に名Opアンプである。

Opアンプが得意とするのは高利得、低雑音、安定した NFB。まさにこれフォノアンプが必要としてる要件ではないか。思いついた回路をメモに描きなぐり、その足で秋葉原の秋月と千石と鈴商をまわって部品を買い集めた。

アンプといえば真空管のことしか頭になく、トランジスタで組む、Opアンプを使うなどということは毛頭思いつかなかったが、考えれば考えるほど Opアンプはフォノアンプに適任のデヴァイスと思える。

ここでまた教科書通りの NF型回路にしておけばいいものの邪険な考えがアタマをよぎる。世のフォノアンプの大半は NF型である。一部のこだわり派は CR型をお使いである。しかし、もっとマニアックな世界もある。NF-CR型だ。

フォノアンプは 0.3~0.4mV という微小な電圧信号を約1V くらいのラインレベルまで信号レベルを引き上げるアンプである。そのゲイン約70dB というのは決して小さいものではない。

同時に、1kHz より低い周波数を 6dB/oct. で約20dB(前述70dB のゲインと合わせて 90dB)引き上げ、高い周波数を約20dB(同50dB)引き下げる、というイコライジングも行っている。

このイコライジングを行う回路に宗派があって大勢を占めるのが前述の NF型である。現代のアンプ回路では NFB技術が当たり前に使われている。NF回路はゲインの設定が設計しやすいので NF回路の中でイコライジングしてしまうのが NF型である。合理的で作りやすい回路なので主流になるのは納得である。特徴は回路に使う素子を減らすことができ、ノイズレベルを低くできる。欠点としては低域と高域で 40dB も NF量が変わってくるので低域と高域で音色(おんしょく)が違うアンプが少なくないことである。

これに対し自作派に人気があるのは CR型で、2台のアンプ回路の間に CR で組んだ減衰回路を挿入しイコライジング特性を得る回路構成である。パッシブ素子で作った単純な減衰回路を通すだけなので全域で音色が揃い、また NFB につきまとう実装上のトラブルも少ないので素人工作でも作りやすい回路構成である。ただし最大で 40dB の減衰を必要とするためトータルで 60dB のゲインを得るためには回路全体で 100dB のゲインを必要とする。これだけのゲインの回路になるとノイズとの戦いになる。CR型はノイジーなアンプになりやすい。

この 2つの回路方式のハイブリッドが NF-CR型である。20dB のゲインの上乗せを NF型回路で組み、20dB の減衰を CR型回路で組むのである。ノイズレベルはそこそこ、組みやすさもそこそこ、音色変化もそこそこ、というちょっと変わった回路ではある。

もう一つ、自作例の回路の多くで不満のあるポイントがあった。一般的にレコードを再生するカートリッジはアースがとられておらず端子はフローティングしている。Lチャンネル、Rチャンネル、どちらもプラスとマイナスがあるが、これはマイナスが共有されておらずいわば一種のバランス伝送になっている。ただでさえ 0.1mV というノイズに埋もれそうな低レベル信号なのに、自作例の回路の多くではこれをアンバランスで受けてしまうのだ。

真空管を使った古典回路などはバランス増幅が容易ではない。これが仕方なくアンバランス構成になるのはやむを得ない。

しかし初段に差動増幅回路を組むことが多い半導体回路のほとんどが、カートリッジのマイナスをアースに落とし、差動入力を NFB のみに使っている。Opアンプも差動入力で使えるのでここはフローティング、バランス受けしたい。

もう一つ、カートリッジから送られてくる音楽信号は 0.5mV 程度だがこれに重畳してスクラッチノイズが突発的に入力される。スクラッチノイズもアンプによって増幅されるのだが信号レベルが高いため、出力が飽和してしまう。これは多大な歪みとして聴こえてくるのでフォノアンプは微小な信号だけを考えるのではなく突発で入力される大信号をもなるべく歪みなく出力する必要がある。これは電源電圧を高くする方法が容易である。

これで方針が決まった。OpアンプNJM4580D を使った NF-CR型、バランス受けのフォノアンプ。カートリッジは常用の DENON DL-103 のことだけ考える。

初段をバランス受けにすると NFループもプラスマイナス2重で必要になり、イコライジング素子が 2倍必要になる。しかしメリットもあってイコライジング素子の誤差は軽減される。

試作回路の電源はとりあえずプラスマイナス15V のスイッチング電源を使う。

初段は NJM4580D 1段で組んだゲイン約50dB の NF回路で、CR減衰回路を通した後、NJM4580D 1段のゲイン約30dB の単純な非反転増幅回路で増幅する。ステレオで Opアンプ4回路分、NJM4580D なら 2素子で組めるシンプルな回路だ。

基板にバラック組みした回路で音を出す。ケースもなく引き回しも適当なので若干ノイジーだ。この回路は音質評価のためではなく回路の動作確認を目的としたものなので各種特性を測定してみる。

イコライジング素子の定数が当てずっぽうなので若干の誤差はあるが、ほぼ RIAAカーブでイコライジングされている。ゲインは @1kHz で約40dB と設計値通りである。

この試作基板、その後どこかに紛失してしまった。しばらくこの新フォノアンプのことは忘れていたのだが、買い集めた部品だけ残っており、5年ほど経ったある時ふと思い出し再び製作を再開することにした。幸い、回路図はメモ用紙が残ってる。

回路パターンは忘れてるので、テキトーな大きさなユニバーサル基板に組む。組んでみたら、72x47mm に左右チャンネルがきちんと収まる。前に試作機を組んだときは、72x47mm では片チャンネルしか入らなかった記憶があったのだけど…。

カンタンな回路図(その後、回路は変わった)。R1 は IV変換抵抗。DL-103 の負荷として 500Ω としてるが、E12系統なら 470Ω でもいいし、1KΩパラでもよい。R1 の両端に発生する電位差を初段Opアンプの差動入力に入力する。

C1、C2、R2、R3、R4、R5 が帰還抵抗で、1kHz以下(ターンオーバー500Hz)のゲインを 20dB 上げるため、2.7KΩ と 27KΩ、0.122uF で構成する。0.122uF は 0.1uF(100nF) と 0.022uF(22nF) をパラレル接続する。NF型イコライザーを見慣れた方だと、抵抗値が小さすぎるんじゃないか?と思われるかもしれない。

抵抗器は価格が安く、精度が高いものも手に入りやすい。一方、コンデンサは良質のものとなると価格が高くなり、精度もでないので、できるだけ容量を下げたい。

C1 = 0.1uF(100nF)、R2 = R5 = 3.3KΩ、R3 = R4 = 33KΩ、もしくは C1 を C3 と同数値にして、C1 = 0.047uF(47nF) でいくなら、R2 = R5 = 6.8KΩ、R3 = R4 = 68KΩ という数値も動くと思う。NJM4580 は入力オフセット電流が多いので、C1 = 0.033uF(33nF)、R2 = R5 = 10KΩ、R3 = R4 = 100KΩ ではキツイかもしれない。

しかしこの NJM4580 というアンプ、帰還抵抗に使う抵抗値が高いと音が死んでしまう。Opアンプで約21dB のゲインなら、通常は 100KΩ : 10KΩ を使うところで 10KΩ : 1KΩ なんて定数を使いたい。そして、Io = 50mA なんていうドライブ力を持っているので、帰還抵抗が 10KΩ でも問題ない。

このあたりの定数は、多種多様な組み合わせが考えられるので、実際に回路を組んでみないとわからない。C1 = 0.033uF なら高価なマイカコンデンサでも使えるだろう。C1 = 0.122uF となると、0.1uF はポリプロピレンフィルコン、0.022uF はマイカコンデンサというチョイスもおもしろい。

C5 と R10 は位相補償で、代わりに R2、R5 に 10~47pF くらいをパラってもよいと思う。このあたりは、回路を組んでみてカット&トライで試して定数を決める。音質に関係なさそうな部品なのに、ガラっと音が変わるからおもしろい。

C3、C4、R6、R7 が1kHz以上(ロールオフ 2.12kHz)のゲインを 20dB 下げるためのフィルター。兼、ローカットフィルタ。オーディオでは再生周波数20~20kHzフラットを目指すことが多いけど、アナログの場合はサブソニックフィルターで低域をカットしてしまう。50~20kHzフラットであればいいと思う。(RIAA カーブでも、対1kHz で 50Hz を 20dB ブーストするが、それ以下の周波数はフラットとする)

2段目はシンプルな非反転増幅回路。R8 と R9 が帰還抵抗で、約17dB になる。ゲインが必要なければ、R8 は 10~27KΩ でもよいと思う。

NJM4580 はプラスマイナス2V の電源電圧で動作する低電圧駆動が特徴だが、この Opアンプ、電源電圧を高くしたほうがよい音がする。それこそ、プラスマイナス 6V くらいだとイマイチ死んだような音しかしない。できればプラスマイナス15V で使いたい。全体的に電流を流す設計になっているので、消費電力は小さくない。

試作機で定数を試したあとで書いているので、設計時の定数は忘れてしまったが、セオリー通りいかないところがおもしろい。

しばらく実際に使いながら、気になるところを変えていくけど、暫定としていまの定数を使う。

これは試作機板2号。試作機板1号を紛失してしまったので、パターンを考えるために、72 x 95mm のユニバーサル基板(マザーツールUP-202、サンハヤトICB-93相当)に組んだもの。抵抗器はカーボンの 4円抵抗器、フィルムコンデンサはニチコン製メタライズドポリプロピレンXP。

配置を工夫したら、47 x 72mm のユニバーサル基板(サンハヤトICB-288)に実装できそうなので、部品を変えて基板を製作した。抵抗器は Vishay(BC Components)の金属皮膜5%、フィルムコンデンサには岡谷電機産業の Xキャパシタ、LEシリーズを使う。

部品を変えたが、試作機板2号と同じ定数を使った。しかし、実際に音を出してみると高音のキツさが目立ち、低音が出ていない。カップリングコンデンサ(C4)を、0.047u から 0.147u に増やしてみて、若干アンバランスさは改善されたものの、はやり高域寄りのバランスは直らない。

異様なほどギラギラした音、反響するような声、経験的に Opアンプの寄生発振ぽい。全体的にゲインが高く、パスコンに 25V/220u を使っていたのでフィルムコンデンサを省略したが、追加で 0.1u の積層フィルムコンデンサをパラレルにした。

発振っぽさはなくなったが音の傾向は元のままなので、定数を再考するために、試作機板3号を作ることとした。

試作機板3号は、47 x 72mm のユニバーサル基板に組むが、各抵抗器や各コンデンサを実装せず、ピンソケットを使って各部品を取り替えられるようにした。ついでに、Opアンプも取り替え可能なように ICソケットとした。

実際に音を聴きながら、定数を変えていく。様々な組み合わせを試したところ、R1/R4 を 2.7KΩ から 3.3KΩ に、R2/R3 を 27KΩ から 33KΩ に、C1/C2 を 0.122u から 0.1u に変更。また、R6 を 47KΩ から 50KΩ に変更。C4 を 0.047u から 0.1u に変更したところ、とてもバランスがとれてきた。

R6 の 50KΩ は部品としては入手しづらいので、100KΩ をパラレル接続している。

また、ゲインが変わったので、R8 + R9 の組み合わせを、47KΩ + 1KΩ から、33KΩ + 470Ω に変更した。また、補償の R10 と C5 は取り除いた。

試聴しながらたどり着いた定数がこちら。

R3 = R4 = R8、R6 = R7 x 2、C1 = C2 = C4、としたことで、用意する部品の種類が減った。特に、0.1uF のコンデンサを共有できるのは部品選択の幅が広がる。

レコードを再生しながら素子を変えていくと、NFループに入っている低域イコライジング用のフィルムコンデンサの質が、音に現れる影響が大きいことが分かった。汎用品からオーディオ用フィルコンまでいろいろ試したが、ニッセイの汎用品、メタライズド・ポリエステル・フィルムの MMT、もしくはニッセイのポリプロピレン・フィルムの APS がクリアな音質で合いそうだった。特に MMT は価格も安い汎用品だが色付けがなくてとてもよい。サイズが小さいのでパスコンとして重宝しており手元にたくさんストックしていたものだが、新たな活躍の場を見つけられてうれしい。

もちろん Opアンプを替えても音質はガラッと変わる。NJM4580D を使った構成は中庸で欠点らしき欠点は見当たらない。前段の Opアンプの影響が音に反映されやすく、ここを NJM2068D に変えるとノイズ感がぐっと減る。若干落ち着いた音質になる。

電源部は既成品のスイッチング電源を使っていたが、アンプ回路部分が落ち着いたので電源部の製作に取りかかる。

本アンプの電源は、プラスマイナス12~15V を必要とする。電流は Opアンプ2石で約20mA 消費する。

正負電源ということで、すぐ思いつくのがトランスのセンタータップを使ったブリッヂ整流。整流用ダイオードが 4本必要になるが、電流供給能力は高くパワーアンプの出力段などに向いている。ブリッヂ整流はダイオード 2本を通るため DC15V程度の低電圧だとダイオードの順方向電圧降下が無視できない。リップルは電源周波数の 2倍、100/120Hz に発生する。

消費電流が小さいため、整流用ダイオードが 2本で済む半波整流が考えられる。リップルは電源周波数と同じ 50/60Hz に発生する。

消費電流が少なく、またリップル耐性がある Opアンプ回路のためさほど神経質になることはないと思うが、リップルフィルター回路を組むことも考えられる。この場合はフィルター回路により出力電圧が 1.5V程度降下することを考慮しなくてはいけない。

電源トランスにはアイルランド nuvotem talema製のトロイダルトランス、60002 を使用する。1.6VA の容量で、2次側は 12V巻線が 2系統出力できる。ただし 1次側が 115V巻線なので AC100V を使う日本では 2次側が 15V巻線の 60003 の方がよいかもしれない。

ダイオードには最近注目している CREE製の SiC(シリコンカーバイド) SBD、Z-Rec C3D02060A を使用する。耐圧600V、2A で順方向電圧降下は約1.5V になる。100mA程度の整流であれば 0.8~0.9V に収まるだろう。

SiC SBD はリカバリー電流がほぼゼロで、Si(シリコン) SBD と異なり耐圧が大きく作れる。シリコンSBD は順方向電圧降下が 0.6V程度と低いが SiC SBD は 1.5~2.5V になる。まだ新しいデバイスであり価格が高い。

順方向電圧降下が大きく高価なのでブリッヂ整流には採用しづらいが、今回は半波整流で 2本しか使わないので SiC SBD を採用する。

まずはいつも通り、バラック組みで動作を確認する。

平滑コンデンサは日本ケミコンKMG 470uF/25V。リップルフィルターは用いない。C3D02060A は Tc約40W だが Ta のカソード損失がデータシートに書かれていない。Tc約40W なので Ta 3W くらいはあるだろう。降下電圧が約0.9V、電流が多く見ても 25mA くらいなので放熱器は要らない。CREE の Z-Rec SiC SBD シリーズの型番の末尾が A のモノはカソードが外部に露出しているので他の部品と接触しないように気をつける。

配線して電圧を確認すると正負とも約15V 出ている。心配してたリップルもほとんど無い。

フォノアンプを結線する。電源を入れてまず気づいたのが、リップルノイズがまったく聞こえないことだ。ボリュームを上げていっても、スピーカーユニットのコーン紙に耳を近づけないとリップルノイズが聞こえない。周波数が 50Hz と低いこともあるだろう。

針を落として音を出す。トランスもSiC SBDダイオードも電解コンデンサもまだ新品なので当然まったくエージングされていない。この状況では音質評価はできない。

しかし、一聴してスイッチング電源ユニットとは違う傾向の音がすることはわかる。音の量、それも中低音が明らかに多くなっている。同じボリュームの位置でも音量は下がったように聴こえるが、これは良い電源の傾向だ。

ファストリカバリーからシリコンSBD に換えると高音が伸びていくような変化を感じる。SiC SBDダイオードを使った整流回路は、低音域に違いが出ると聞いていたが、これは確かにシリコンSBD とはまったく違う。

消費電流に対して電解コンデンサの容量が大きいので、リップルフィルターがなくても実用になる。しかしリップルフィルターを付与することによる音質への影響を調べるため、リップルフィルターを組み込んだ。

リップルフィルターを付与しても、元のリップルが少ないため効果がわからない。音質は全体的に解像感が下がるようなところもあり、一聴した感覚はあまり芳しくない。

全体的に部品のエージングが進んでないので、この時点で音質を評価することは難しいだろう。まずはこの状態でしばらく使ってみて後日評価したい。